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2010年1月29日金曜日

はじまり

すべてはここからはじまりました…

某月某日 曇り時々晴 気温18℃

いつものように「この地域の佇まいを感じる」お客−ちりぢり頭に口髭と顎鬚を生やし、顔はやつれ眼が半分死んでいて、何十年身につけてるんだ?と思わせるよれよれの作業服にサンダル履き−が来店、何かブツクサいいながら、店内の商品を物色しておりました。

ここで言っておきますが、一般のお店ではこういった人が入店してきた場合、通常店員には警戒心が働き、要注意人物としてその方の店内での動きを四六時中チェック、あるいは場所によって、入店お断りするところもあるでしょう。しかしこの店の客層は、こういった風貌の人たちが大半を占めており、お陰様ながらも店の経営が成り立っているのです。

そしてその客は、ランドリーバッグと歯磨き粉と歯ブラシを持ってレジへ。ちなみに「ランドリーバッグ」とはチャック付でビニル製の大きな手提げ袋。この界隈での必須アイテムで、テレビやラジオで使う「イヤホン」と並ぶ当店の売れ筋です。

会計を一通り済ますと、そのお客はレジをしていた私に尋ねてきました。
「ちょっと、ハサミ貸してくれる?」
わたしはだいたいのお客のように、ランドリーバッグをすぐに使うのでタグ(商札)を切るのかと思い、
「タグ切っときましょうか?」と尋ねたところ、
「いいから貸して。」と、片手を差し出してきました。
怪訝に感じながらも、わたしはその男にハサミを手渡しました。

するとその男は、そのハサミを持って店の奥内に行こうとしたのです。
わたしはあわてて、「ち、ちょっとお客さん!どこ行くのよ?何に使うの?!」と聞いたところ・・・

「いやぁ、鼻毛切ろうかと思って。」

「・・・」
あんぐりです。開いた口が塞がりませんでした。
無論このあと、ハサミを丁重にお返しいただき、当店自慢の「鼻毛切り」をオススメしたのはいうまでもありません。

こういった内容の話が日常茶飯事となっていることを、誰が書かずにいられましょうか?